当社のルーツは1957年に設立された日本不動産銀行で、その後日本債券信用銀行となって、1998年に破綻、国有化されました。2000年にソフトバンク、オリックス、東京海上等が出資して経営再建が進められて、2001年に名前が現在のあおぞら銀行になりました。新生銀行となった日本長期信用銀行が外資系ファンドに安く買い叩かれたのと対照的に、国内資本で再生へ踏み出したのですが、その後ソフトバンクは持ち分をサーベラスに売却しています。
サーベラスの傘下となった当社は、トップに外国人が来て、行内の重要な会議や資料も英語となって、当時の行員の方は大変苦労されたようです。2013年にサーベラスが持ち分の売却を完了していますので、そのようなことはありませんし、現在のトップである馬場社長は2012年9月に社長に就任されていますが、経営破綻後初めての生え抜きのトップでしたので、行内の士気も上がったようです。
元々長期信用銀行法に基づいて設立された銀行だったため、店舗数が少ないかわりに金融債を発行して長期資金を調達できるメリットがありました。現在は普通銀行に転換しているため、預金を集める上で、他の銀行に比べて不利ではありますが、マイナス金利という環境では、預金が少ない方がむしろ有利かもしれません。こうしたことからリテール取引は弱いのですが、元々日本不動産銀行という名前だったことからもわかるように、当社は不動産取引に強く、また、昔から金融債を販売していた繋がりで、地銀との取引のネットワークがあるため、現在も金融商品を地銀に販売して手数料を稼ぐことができます。
当社はメガバンクと比べると国際業務や証券業務などが弱く、大きな成長性は期待しにくいですが、高配当株でしかも四半期毎の配当ということで、権利落ちの影響も小さく、株価の変動もメガバンクに比べて緩やかですので、長期保有しやすい銘柄だと思います。
主な指標(3月30日現在)
株価 412円
時価総額 4,874億円
予想1株配当金 18.4円
予想PER 11.32
実績PBR 1.19
配当利回り 4.47%
*データは四季報オンラインより引用