最近株式投資に追加資金を投入し、ポートフォリオを拡大させていますが、その原資のほとんどは、投資用に保有していた区分マンションの売却益によるものです。
これまで仕事上の付き合いもあり、新築マンションを購入して賃貸運用していました。そのため、当然利回りは低く、表面利回は5%を切る水準でした。ローンは当初オリックスで借り、その後メガバンクで借り換えができたので、キャッシュフロー上はぼぼトントンでした。
こう見ると、あまりメリットのない投資のように見えますが、購入したタイミングが今から5年以上前だったということで、その時のマンション市況を考えると、さすがにどこかでうまく出口が見つかると考えていました。
今回は当初取得価格より2割程度高く売ることができ、その間にローンの返済も進んでいたことから、手元にかなりのキャッシュが残りました。しかし、これから不動産投資をするかと言われると躊躇せざるを得ません。
僕のような投資スタイルですと、保有して運用で利益を得ることはできません。そのため、必然的にキャピタルゲインを目指すことになります。そうすると、投資するタイミングが重要になります。
現在はここ数年でマンション価格が大きく高騰する一方で、賃料水準はさほど上がっていませんので、都心で新築マンションを買って賃貸運用しても、自己資金が1割程度ですと、キャッシュフローはほぼ確実に赤字になりますし、将来、今の価格より高く売ることはなかなか難しいと思われます。
さらに最近は、不動産投資ローンの審査が厳しくなっています。特に区分所有マンションの場合、取り扱う金融機関自体が限られ、3割程度の自己資金を用意しないと土俵にも乗れません。高い価格の不動産を不利な条件のローンで資金を調達して購入しても勝算はありません。
現在不動産を購入して成功する人は、不人気なエリアに地の利があり、市場で評価されない価値を物件に見出せる人や、ボロボロの物件を自分で改装して魅力的な物件に仕上げることができる方や、相続対策で多少損しても金融資産より不動産を持ちたいといった人に限定されるのではないでしょうか。
こうした理由から、僕は手元資金をREITやインフラファンドといった配当利回りの高いペーパーアセットで運用することにしました。REITで利回り5~6%、インフラファンドで利回り7%前後は確保できますので、レバレッジを効かせることはできませんが、それなりのインカムゲインを得ることができます。今はキャピタルゲインではなく、インカムゲインのターンだと考えています。