スターアジアグループがさくら総合リート(3473)に対して仕掛けた敵対的買収でしたが、7月19日に「投資法人みらい及びさくら総合リート投資法人の合併に関する基本合意書締結のお知らせ」と題したリリースが出され、みらいとさくらが合併に向けて大きく動きだしました。
両法人の合併比率は未定ですので、現時点では評価のしようはありませんが、合併後ガバナンス体制については、補足説明資料で次のように説明しています。
出典:さくら総合リート「2019年7月19日付プレスリリース 補足資料」
これによると、合併後の投資法人について、さくら総合リートの執行役員・監督役員の関与はなく、合併後の投資法人の資産運用会社はさくら不動産投資顧問からの出資・役員の受入は行わない、としています。合併後のみらいにさくらの役員が関与しないことはポジティブに評価できます。
一方、みらいとさくらの合併の動きに対して、スターアジアは7月17日に、総額200百万円を上限として、ライオンパートナーズがさくら総合リートの投資口を追加取得していくことを発表し、19日にはその上限を500百万円にまで引き上げました。
さくら総合リートの7月22日時点の時価総額が331億円ですから、持ち分比率を1.5%程度上げることになります。
それでどれだけ効果があるのかわかりませんが、ここまでくると、スターアジアグループにとってはかなり分が悪くなってきたのではないかと思います。
こうした一連のリリースの発表を受けて、さくらの株価は終値で前日比+4.52%を大きく上昇し、ザラ場では100,000円に到達しました。
一方、みらいの株価は前日比▲2.80%と下落しました。合併比率がさくらに有利に決定すると見られているからではないかと思います。
スターアジアに対するさくらの反論の稚拙さに嫌気がさしてすでにさくらを全て売ってしまいましたが、その後も驚くほど株価が上がってしまいました。こうしたところから、つくづくセンスがないなと感じてしまいます。