三井住友FG(8316)の2020年3月期第1四半期決算が7月30日に発表されました。結果は経常収益が前期比▲6.4%、親会社株主に帰属する四半期純利益は前期比▲5.0%と減収減益となりました。
出典:当社決算短信
通期の業績予想は、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比▲3.7%ですので、概ね予想通りの着地と言えそうですし、進捗率を見れば30.8%と高い水準にあります。
出典:当社決算短信
ただ、中身を見ると、特別損益でアセットマネジメント2社の合併に伴う段階取得益を約220億円計上したり、税コストが前期比222億円減少した影響が大きく、経常利益段階では前期比▲21.2%と、なかなか厳しい結果と言えます。
出典:当社「2019年度第1四半期実績の概要」
連結粗利益の内訳を見ると、SMBCの資金利益が大きく減少しています。
出典:当社「2019年度第1四半期実績の概要」
その大きな要因は、国内での預貸金利回り差の縮小です。預金等利回りが0%であるのに対して、貸付金利回りが政府等向け貸出金控除後で5ベーシス・ポイント低下しています。今後益々金利が低下してくれば、預金金利でマイナス金利を適用することはできないと思いますので、利回り差が益々縮小していく可能性があります。
出典:当社「2019年度第1四半期実績の概要
国内の貸出業務で利益を伸ばすことは今後も期待できませんので、短期的には市場取引頼みとなっていますが、長期的にはリテール事業の収益性の向上や国際業務、さらには銀行業務以外の事業の拡大に期待したいと思います。