今年は10月1日に消費税率が8%から10%に引き上げられましたが、一定以上の給与所得のある人にとっては、来年から給与所得控除の上限が引き下げられるため、さらに税負担が重くなります。
給与所得控除とは、サラリーマンのように給与収入のある人が、所得税を計算する際に、給与収入から控除できる金額のことです。
一般的には、所得税の計算は年末調整で会社がやってくれるため、ほとんど意識することがないだけに、気が付かないうちに手取り額が減ることになってしまいます。
この給与所得控除は以前から段階的に上限額が引き下げられてきました。国税庁のホームページで確認できるのは平成25年以降ですが、それでもこのように推移していることがわかります。
そして来年からは、給与所得控除の上限となる給与所得は850万円まで引き下げられます。つまり、年収が850万円を超える人にとっては増税になることを意味しています。
年収850万円でも平均と比べるとかなり高額所得者ということになるのかもしれませんが、少なくとも東京などの大都市で生活している人にとっては年収850万円では全く豊かさを感じることはできないでしょう。
こんな階層から税金を絞り取っているようでは、日本の未来に希望が持てないのではと感じてしまいます。
しかし、消費税の増税ではあれだけ大騒ぎをしても、こうした隠れた増税についてはほとんど話題になりません。多勢に無勢ということなのでしょうか。
扶養控除が子供手当に変わったと思ったらどんどん削られ、配偶者控除もなくなり、給与所得控除まで削られてきました。こうしたほとんど話題にならないところで随分税負担が重くなってきたと感じます。こんなことでは勤労意欲を失ってしまいます。