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いちごホテルリートの2020年3月度ホテル運営状況と2020年7月度分配予想の修正

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いちごホテルリート投資法人(3463)の2020年3月度ホテル運営状況と、2020年7月期の運用状況および分配予想の修正が本日発表されました。僕はいちごホテルリートは保有していませんが、他のホテルREITが分配金予想を未定としている中、当法人は修正値を発表しましたので、その内容を見てみたいと思います。

 

2020年3月度のホテル運営状況

当法人が保有する18ホテル(開示の同意が得られていない5ホテルを除く)の運営状況は、客室稼働率が前年同月比▲45.4%、ADRが前年同月比▲33.7%、RevPARが前年同月比▲63.8%、売上高が前年同月比▲63.6%と、他のホテルREITと同様に大きく低下しています。 

これは言うまでもなく新型コロナウイルスの影響ですが、先日発表したインヴィンシブルやジャパン・ホテル・リートに比べると、前年同月比では若干マシとも言えます。

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出典:当法人リリース資料「ホテル運営状況のおしらせ(2020年3月度)

 

他のホテルREITの数字についてはこの記事をご覧ください。

www.tamtam-dividend.xyz

 

 

 

 

 

2020年7月度の運用状況及び分配予想

新型コロナの影響を踏まえて、当法人は2020年7月度の運用状況及び分配予想の下方修正を発表しました。

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出典:当社リリース資料「2020年7月度の運用状況および分配予想の修正のおしらせ」

 

予想分配金は2,216円から873円へ60.6%の減額となっています。なお、2021年1月期の運用状況及び分配予想については、新型コロナの影響を合理的に算定することが困難であるとして、据え置いています。

この予想の前提として、当法人は2020年4月~7月について、変動賃料が発生しないとしています。ホテル別の賃料の内訳は次のようになっています。3月16日に発表された2020年7月期の予想の前提条件では変動賃料が477百万円でしたので、変動賃料収入で436百万円減少しており、上記の営業収益の減少額とほぼ一致しています。

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出典:当社リリース資料「2020年7月度の運用状況および分配予想の修正のおしらせ」

 

 

 

 

 

ホテルオペレーターは固定賃料を払えるのか? 

ここで、2020年4月~7月の変動賃料は発生しないことを前提としている自体は妥当な想定だと思いますが、問題は固定賃料のみのホテルが固定賃料を全額払うのかという点です。

例えば、コンフォートホテル中部国際空港は固定賃料のみの契約となっていますが、賃料は6カ月で151百万円となっています。つまり、1カ月あたり25百万円です。一方、このホテルの3月の売上高は27.1百万円でした。

一般的に3月以上に4月の数字は厳しくなると思われますし、中部国際空港の利用者をターゲットとしたホテルだということを考えると、当面回復の期待はできないと思います。すると、4月以降は売上高が賃料すら下回ることが予想されます。

当ホテルの運営会社は東証一部上場の株式会社グリーンズですので、比較的信用力はあると思いますが、グリーンズは4月13日に2020年6月期の通期連結業績予想を取り下げていますので、このまま予想通りに進むのか微妙なところではないでしょうか?

 

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出典:当法人リリース資料「ホテル運営状況のおしらせ(2020年3月度)

 

 

 

 

 

むすび

他のホテルREITが業績予想を未定とする中、具体的な数値を開示したことは評価できますし、この後の変動賃料の予想をゼロとしている点は合理的だと思います。

ただ、特に固定賃料のみのホテルの場合、売上に対する賃料の割合が高くなり、場合によっては売上が賃料を下回ることも想定されることから、そのまま支払われるか、これから減額交渉があるのか、まだまだ不透明だと思っています。

また、ファーストキャビンが破産手続の開始決定を受けたり、WBF民事再生法の適用申請をするなど、ホテル運営会社の経営破綻が相次いで報じられていますので、オペレーターの破綻リスクも考えておく必要があります。

ホテルREITREITの中では最もハイリスク・ハイリターンだと思います。コロナが比較的短期間で終息し、来年には無事オリンピックが開催されれば、株価はV字回復してくれると期待しています。一方、コロナが長引くと、オペレーターの破綻が相次ぎ、REIT自体も厳しい局面を迎えるかもれません。ただ、この悲観シナリオが現実のものとなったときにはホテルREITだけでなく、世界経済全体が大変なことになっているでしょう。

 

なお、この記事はあくまで僕の個人的な見解を示したものなので、くれぐれも投資判断は自己責任でお願いします。