ソフトバンク(9434)の2020年3月期決算が5月11日に発表されました。
損益の概要
まず損益の概要ですが、売上高は前期比+4.4%、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比2.3%と増収増益でした。なお、比較対象の前期の数字はZホールディングス取得に伴って遡及修正されています。
出典:当社決算短信
直近に発表されていた業績予想が売上高4,820,000百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が480,000百万円でしたので、当期利益はわずかに未達に終わっています。
また、2021年3月期の連結業績予想は、売上高が当期比+0.8%、親会社の所有者に帰属する当期利益は当期比+2.5%と僅かですが増収増益を予想しています。なお、この数字にはZホールディングスとLINEの経営統合の影響は反映されていませんが、新型コロナの影響は4月時点で想定しうる業績への影響は織り込まれています。
出典:当社決算短信
2.配当の状況
2020年3月期の年間配当金は85円で配当性向は85.6%でした。2021年3月期は1円増配の86円で配当性向は84.5%を予想しています。
出典:当社決算短信
当社は配当方針について、配当性向85%程度とした上で、機種に予想配当を開示し、業績変動に関わらず着実に実行すると宣言しています。
配当性向を基準に予想配当金を設定する場合、減益となると利益に連動して減配となるリスクはありますが、通信事業は比較的安定していると思いますし、成長性も期待できますので、減配リスクは低いと思います。
出典:当社投資家向け説明会プレゼンテーション資料
セグメント別の状況
セグメント売上高及びセグメント利益は、コンシューマ、法人、流通、ヤフーの4つのセグメントのすべてで増収増益となりました。コロナの影響を感じさせないところから通信事業の安定性が感じられます。
出典:当社投資家向け説明会プレゼンテーション資料
株価の状況
株価はコロナの影響で一時1,300円を割るところまで下げましたが、下落率という意味では比較的軽症で、今は緩やかな回復基調にあります。
5月12日の終値は1,455円、予想年間配当金は86円なので、配当利回りは5.91%です。
【6カ月チャート】
むすび
コロナの影響を受けにくい業界だとは思っていましたが、全てのセグメントで増収増益となり、無難な決算だったと思います。2021年3月期の予想も緩やかな増収増益で1円ですが増配ですので、安心して保有できそうです。
5Gの普及や楽天の参入が業界の勢力図にどのような影響を与えていくのか私には想像できませんが、傘下にヤフーとLINEを持つソフトバンクは面白い位置にいるのではないかと思っています。
なお、この記事はあくまで僕の個人的な見解を示したものなので、投資判断はくれぐれも自己責任でお願いします。