FPG(7148)の2020年9月期第2四半期決算が本日（5/13）発表されました。
損益の概要
2020年9月期第2四半期は、売上高が前期比▲26.3%、親会社株主に帰属する四半期純利益が前期比▲43.7%と大幅な減収減益となりました。
出典：当法人決算短信
4月21日に業績予想の下方修正を発表していましたが、修正後の業績予想に対して売上高は+0.2%で着地したものの、四半期純利益は▲14.7%と大きく未達となりました。
利益の未達については、業績予想の修正後に発表されたAir Mauritius Limitedの任意管理手続申請の伴い、当社が保有するオペレーティング・リース事業に係る商品出資金の評価損527百万円を売上原価に計上したことが主な原因と説明されています。
出典：当社「第2四半期業績予想と実績の際及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」
このような厳しい決算となった要因は、新型コロナウイルスの影響で顧客の出資判断が慎重になったことで出資金の販売などのリースアレンジメント事業の売上高が大きく減少したことなどによります。
2020年9月期の業績予想
新型コロナウイルスによる顧客の慎重な出資スタンスに加え、航空需要の減退による賃借人の航空機への設備投資の減少から新規の組成が難しくなることから、業績予想の下方修正を4月21日に発表していましたが、売上高の予想は維持したものの、利益についてはAir Mauritius Limitedの任意管理手続申請の影響を織り込み、さらに下方修正しています。
出典：当社「第2四半期業績予想と実績の際及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」
販売する商品の仕込みであるリースの組成金額の推移と予想は次のようになっています。ここで示されている組成金額はかなり厳しい数字ですが、この組成金額が少ないと販売する商品が少なくなることを意味しますので、この先の売上高が大きく減少することが予想されます。
出典：当社決算説明資料
配当の状況
当社は期末のみの年1回の配当ですが、この厳しい決算の見通しを受けて、4月21日の時点ですでに60.1円から30円へ下方修正していましたが、配当予想は維持しました。
出典：当社決算短信
配当方針について、当初DOE（株主資本配当率）15％以上としていたものを、予想EPSを下方修正したことからDOE8%以上に修正しています。配当金については、60.1円から30円へほぼ半減しましたが、配当性向は当初予想の52.7%から85.8%へ引き上げるとともに、20億円を上限に自社株買いを実施することを発表しています。
出典：当法人決算説明資料
株価の状況
新型コロナウイルスの影響で2月中旬から株価は急落していましたので、当社の業績悪化は織り込み済みだったと言えるでしょう。本日の決算でも特にサプライズはなかったと思いますので、しばらくは多少の上げ下げはあると思いますが、低迷を続けるのではないでしょうか。本日の終値が537円で予想配当金が30円なので配当利回りは5.59%です。
【6か月チャート】
むすび
先日バフェット氏が保有していた航空機株を全て売却したことが話題になりましたが、航空業界の正常化には相当な時間がかかることが予想されます。そのため、当社の主力事業である航空機リースを使った節税商品の販売は、長期にわたって回復が難しいと考えられます。
このような経済環境下で利益を計上して配当を出すだけでも上出来と言えなくもないですが、業績の回復のイメージを持つことができませんので、今は保有することは難しいと考えています。
なお、この記事はあくまで僕の個人的な見解を示したものなので、投資判断はくれぐれも自己責任でお願いします。
