私は日本株、米国株とも高配当株投資をしてきましたが、コロナショックからの立ち上がりを見ても、高配当株だけでは心もとないと感じていましたので、ポートフォリオの一角に米国成長株を取り込もうと考えはじめました。
とは言え、個別株への投資はなかなかハードルが高いので、高成長株を投資対象としたETFとして、QQQとVUGについて、すでに少しずつ買ってはいますが、改めてその内容を纏めてみたいと思います。
QQQとVUGの概要
QQQとVUGの概要をまとめると次のようになります。まず大きな違いはベンチマークで、QQQはナスダックの金融銘柄を除く時価総額上位100銘柄から構成されるNasdaq-100をベンチマークとしているのに対して、VUGは米国市場の大型グロース株を網羅したCRSP US Large Cap Growth Indexをベンチマークとしています。つまり、QQQはナスダック銘柄に限定されていて、金融銘柄を含まないのに対して、VUGは米国市場全体の大型グロース株が投資対象になっています。
また、経費率ではQQQが0.20%であるのに対してVUGは0.04%とVUGの方がかなり低くなっています。
過去のトータルリターンは3カ月から5年のどの期間を取ってもVUGをQQQが上回っています。
出典:Bloombergウェブサイト(2020年6月2日更新)より管理者作成
構成銘柄の比較
QQQとVUGを構成する上位10銘柄を比較すると次のようになります。いずれもGAFAMが上位に来ていますが、VUGではビザ(V)やマスターカード(MA)、ホーム・デポ(HD)が上位に入っている点が特徴的です。一方、QQQの上位10銘柄のうち、VUGに含まれていないのはシスコシステムズ(CSCO)だけです。このあたりは好みが分かれてくるところだと思います。
また、GAFAMの比率はQQQがポートフォリオ全体の44.77%なのに対して、VUGは36.01%に留まっています。現在最も勢いのあるGAFAMの構成比もパフォーマンスに影響しているのではないでしょうか。もっとも、QQQに対してVUGの方が構成銘柄が多いため、上位銘柄の集中度が低くなるのは必然だと言えます。
出典:Bloombergウェブサイト(2020年6月2日更新)より管理者作成
セクター別構成比
つぎにQQQとVUGのセクター別構成比を比較してみます。どちらも情報技術が4割以上を占めている点は似ていますが、QQQの方がより情報技術セクターの割合が高く、対象セクターの幅が狭く、VUGの方が、より幅広いセクターをカバーしています。
【QQQのセクター別構成比】
出典:Invescoウェブサイト
【AUGのセクター別構成比】
出典:Vanguardウェブサイト
過去5年間の株価の推移
QQQとVUGの過去5年間の株価の推移を見ると、QQQ、VUGともS&P500を大きく上回って推移しているものの、QQQとVUGではQQQが圧倒的に上回っています。
出典:yahoo! financeウェブサイト
むすび
過去のパフィーマンスを比べるとQQQがVUGを大きく上回っていますので、QQQの方が良いように見えます。VUGの魅力としてはVやMAを含んでいることくらいでしょうか。
一方、将来を考えた場合、GAFAMのウエイトが高いことが良いことなのかという疑問も出てきます。数年間くらいの期間で考えればQQQが良いように思えますが、より長期で考えた場合は、セクターも銘柄も分散しているAUGの方が、相対的にリスクが低いとも考えられます。
私としてはとりあえずQQQにウエイトを置きつつ、QQQとVUGを併用していこうと思っています。玉虫色の結論になってしまいましたが、絶対的にどちらが良いとは言い切れないというのが私の結論です。
なお、この記事はあくまで僕の個人的な見解を示したものなので、投資判断はくれぐれも自己責任でお願いします。