たむたむの配当金生活への道

草食系投資家のたむたむが、高配当株への投資で夢の配当金生活を目指します。

【銘柄紹介】SHIFT(3697)

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私の成長株PFで保有している株式会社SHIFTについて、簡単に紹介します。

 

当社の概要

当社は2005年9月に設立され、現在はソフトウェアの品質保証やテスト業務を主たる事業としています。2014年11月にマザーズに上場し、2019年10月に東証一部に昇格しています。創業者で社長の丹下大氏はまだ四十代の若手経営者です。

ゲームソフトをはじめとするエンターテイメント分野でのデバック業務はポールトゥウィンやデジタルハーツなど先行する企業がありますが、当社はまだ競合の少ないエンタープライズ分野での圧倒的なポジションを占めている点に強みがあります。しかも、単にソフトウェアのテスト業務を請け負うだけでなく、蓄積された知見に基づき、効率的なソフトウェア開発のためのコンサルティングまで手掛けています。また、当社はオーガニックな成長に加えて、積極的なM&Aにより、必要な技術・ノウハウの習得と売上拡大を図っています。

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出典:当社ウェブサイト

 

当社によれば、日本のIT市場の規模は約15兆円、そのうちソフトウェアテスト市場の潜在的な規模は5兆円ですが、実際にアウトソースされているのはそのうち1%程度だそうです。現在は多くの場合、開発者がテストまで実施しているものの、それではコストが高く、モチベーションが上がりにくく、品質のプロではないため品質に不安がある等、様々な非効率さがあります。そこで開発効率を上げるためにも品質保証のプロフェッショナルである当社に対するニーズが高まっていくと考えられます。

 

 

 

 

業績の状況

業績の推移

売上高はきれいな右肩上がりになっていて、成長率は年50%前後で推移しています。積極的なM&Aはコスト上昇要因となりますが、それでも一定の営業利益を確保しています。

【売上高、営業利益の推移】

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*当社決算短信より管理人作成。なお2020年8月期は当社予想。

 

また、経常利益、当期利益、EPSのいずれも2017年8月以降は右肩上がりで伸びています。なおEPSは、2018年8月期は前期比+75.9%、2019年8月期は前期比+157.1%、2020年8月期予想は前期比+41.2%となっています。

【経常利益、当期利益、EPSの推移】

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*当社決算短信より管理人作成。なお2020年8月期は当社予想。

 

四半期業績の推移

四半期毎の売上高は単体での伸びに加えてM&Aによる羽ループ会社売上高の増加で大きく伸びています。単体では前年同期の1.5倍、グループ会社売上高は前年同期の1.6倍に増えています。

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出典:当社決算説明会資料

 

四半期利益の推移を見ると当第3四半期(2月~5月)はコロナによる稼働率の低下などで売上総利益率は低下していますが、利益額は右肩上がりで伸びています。

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出典:当社決算説明会資料

 

キャッシュフローの状況

キャッシュフローについては、営業CFは常にプラスとなっていますが、投資CFは常にマイナス、財務CFが2019年8月期に大きくプラスとなっているのは、主として新株発行による収入が5,320百万円あったことによるものです。当社は2020年5月末(第3四半期末)時点でも7,564百万円のキャッシュを保有していますので、十分な買収資金を保有していることになります。

キャッシュフローの推移】

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*当社決算短信より管理人作成

 

 

 

 

中長期戦略

当社は中期的な成長目標として2025年までに売上高1,000億円という数字を掲げています。そして、加速度的な成長を実現するための取り組みとして、①既存事業のオーガニックな成長、②M&Aによる成長、③プラットフォーム事業への転換の3つの成長戦略を掲げています。

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出典:当社ウェブサイト

 

3つの成長戦略のうち、はじめの2つはわかりますが、3つめのプラットフォーム事業についてはまだよくわかりません。当社ウェブサイトでは、「エンジニアと開発案件のマッチングプラットフォーム事業の構築を予定しています。」とだけ書かれています。

当社のこれまでの事業展開から、ソフトウェアテスト業務の受託だけを考えているのではなく、テスト業務を通じて開発業務に関する知見を蓄積し、品質管理のためのプラットフォームを構築しつつ、開発支援のコンサルティング業務を手掛けていますし、必要な技術やノウハウをM&Aで積極的に保管してきていますので、私は当社が将来ソフトウェア開発に関わる大きなプラットフォームを構築してくれるのではないかという期待を持っています。

 

株価の状況

株価は1月14日に9,750円の高値を付けた後、しばらく下げ続けましたが、3月17日に5,610円の安値を付けた後、右肩上がりで上昇しています。ただ、第3四半期決算を発表した翌日の7月10日に13,170円の高値を付けた後はなかなかこの高値を抜けずにいます。

8月26日の終値は12,530円で、予想PERは136.09倍、実績PBRは19.92倍となっています。

当社は年率50%の成長を続けているグロース銘柄なので、PERを気にしても仕方がありませんが、この株価を支えているのが成長期待だと思われますので、どこかのタイミングで成長が止まると株価が一気に崩れるリスクはあります。

逆にPERが高くても、業績がきれいな右肩上がりで伸びていれば、それに連動して株価も上昇していく期待は持てます。

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むすび

これまでソフトウェア開発の中では必ずしも地位の高くなかったテスト業務に注目し、プロフェッショナル化するという視点は面白いと思います。ソフトウェアテスト市場のポテンシャルは高く、しかも当社は単なるテストの下請けではなく、品質保証や開発支援まで手掛け、将来的にはプラットフォーム事業への転換を図ろうと考えているところに期待が持てますし、まだ40代の丹下氏による経営のスピード感も魅力的だと感じています。

バリュエーション的には期待先行という面は否めませんが、これまでの爆発的な成長性がどこまで持続できるか、次のどのような手を打ってくるか楽しみにしつつ、成長を見守りたいと思います。

 

なお、この記事はあくまで僕の個人的な見解を示したものなので、投資判断はくれぐれも自己責任でお願いします。

 

 

2020年8月度第3四半期決算に関する記事です。

www.tamtam-dividend.xyz