アイル(3854)の2020年7月期決算が本日(9/7)発表されました。私は保有していませんし、これまで監視銘柄としてリストアップしていた訳でもありませんが、少し気になったのでまとめてみました。
決算の概要
当期の売上高は前期比+20.5%、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比+91.5%と大幅な増収増益でした。業績予想では売上高12,342百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,008百万円でしたので、売上、利益とも業績予想を上回って着地しました。
出典:当社決算短信
当社は中小企業向けの基幹業務システムや受発注時ステム、ネットとリアル店舗の一元管理システム等を手掛けていますので、DXやEコマースといったトレンドに乗って急成長している印象を持っていましたが、実態は軽減税率対応やWindows7のサポート終了に伴うOSの入替といった時限的な特需があったようです。
【売上高の推移】
出典:当社開示資料「決算の概要」
業績予想
2021年7月期の業績予想は、売上高が当期比▲7.1%、親会社株主に帰属する当期純利益が当期比▲35.7%と減収減益となっています。
出典:当社決算短信
当社は特需を除いても2019年7月期を超えるとこの業績予想をポジティブに説明していますが、当社は成長を期待された企業ですから、2期前の業績と比較してもちょっと厳しいなというのが正直な感想です。
出典:当社開示資料「決算の概要」
また、この数字は昨年公開された中期経営計画の数字を利益では下回っています。
出典:当社開示資料「決算の概要」
ただ、四季報オンラインでは8月28日付で業績予想が更新されていて、この数字に近い数字になっていました。
出典:四季報オンライン
なお、本日開示予定だった新中期経営計画は、コロナが業績に与える不確定要素が多いことから、公表を延期することとなりました。
株価の推移
株価はコロナショックでの下落からある程度回復した後は横ばい傾向でしたが、本日の決算発表を受けて終値の1,755円から暴落して、PTSでは1,450円前後で推移しています。
出典:SBI証券ウェブサイト
むすび
当期の決算だけを見ればグロース株らしい素晴らしい数字ですが、来期の予想が期待を大きく裏切ったことで、PTSではありますが株価は暴落しています。
ただ、来期の業績予想は四季報オンラインで実際の数字に近い数字が出ていました(そのことが良いのかは疑問ではありますが)ので、予想可能でそこまで極端な反応するほどのことでもないような気もします。
いずれにしても失望売りか短期筋の仕掛けかはわかりませんが、決算跨ぎは怖いと改めて感じつつ、四季報予想もちゃんと見ておいた方が良いなと思いました。
なお、この記事はあくまで僕の個人的な見解を示したものなので、投資判断はくれぐれも自己責任でお願いします。