たむたむの配当金生活への道

草食系投資家のたむたむが、高配当株への投資で夢の配当金生活を目指します。

【銘柄分析】ウエストHD(1407)

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10月15日に2020年8月期決算が発表されたウエストHDですが、翌日株価は大きく下げましたので、私は300株購入しました。ここで、ウエストHDについて詳しく見てみたいと思います。

 

事業内容

当社の事業は、再生可能エネルギー事業、省エネルギー事業、電力事業、メンテナンス事業の4つで構成されています。ただし、これらのうち再生可能エネルギー事業と電力事業で売上高は全体の9割以上を占めています。

再生可能エネルギー事業には、公共・産業用太陽光発電システムの施工・販売と環境対応型リフォーム(太陽光発電システム等)の施工・販売・卸売などがあります。

電力事業はいわゆる新電力事業で、自社の太陽光発電システム等で発電したり、卸売市場から電力を調達したりして販売しています。

省エネルギー事業は、LED照明や空調設備などの省エネ設備を初期費用0円で顧客に導入して、削減額の一部をサービス料として受け取るものです。

メンテナンス事業は、太陽光発電システム及び関連設備等の保守管理です。

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業績推移

売上高はきれいな右肩上がりというわけではありませんが、営業利益率は2017年8月期をボトムに上昇傾向にあります。

2020年8月期に売上高が減少したのは、電力事業において気候変動やコロナ等で電力需要が減少したことで売上高が前期比▲16.3%と大きく減収となったことが大きな要因です。

一方、電力事業は利益率が低い一方、他の事業は利益率が相対的に高いため、売上高が減少しても営業利益以下の利益はすべて増益となっています。

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【2020年8月期決算】

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また、2021年8月期の業績予想は売上高が当期比+30.0%、当期純利益が当期比+10.3%と増収増益を見込んでいます。売上高の伸びに対して当期純利益の伸びが低いのは、おそらく電力事業の売上高の伸びが大きいためだろうと思われます。

【2021年8月期業績予想】

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セグメント情報

4つのセグメントのうち、主力事業の一つである再生可能エネルギー事業は直近でも利益率が12.1%であるのに対して、もう一方の電力事業は年々改善してきているものの6.7%に過ぎません。

当期は当初の予想と比べて売上高が大幅に未達だったにもかかわらず利益が当初予想を大きく上回りましたが、それは電力事業の売上高が大きく減少した一方で、再生可能エネルギー事業やその他の事業が伸びて利益に寄与したことによるものです。

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財務・キャッシュフロー

当社は2020年8月期の自己資本比率が24.7%と、一般的な基準からみれば危険ゾーンにあります。それ以前から常に20%台前半で推移していますので、当社にとっては異常値ではありませんし、2020年8月末時点で総資産が82,299百万円であるのに対して現金及び預金が31,000円もありますので、さほど心配する必要はないのではないかと思います。

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また、キャッシュフローは年度毎にプラスとマイナスが入れ替わり、不安定な状態です。当社の主力事業の一つが太陽光発電システムの請負工事であり、大規模な工事は長期にわたるため、引き渡しのタイミングによって回収額は大きく変動しますし、先行して支出が発生するため、借入金が大きくなり、営業キャッシュフローが安定しないのだろうと思われます。

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株価の推移

5年チャートを見ると2018年9月頃から株価の水準が上がり、しばらくヨコヨコを続けた後、2019年10月頃から急速に株価が上昇しているのがわかります。つまり決算をきっかけに株価が大きく上昇してきたと言えます。

直近では10月6日に業績予想の修正が発表されて株価が急騰しましたが、15日に決算が発表されてその翌日には前日比▲6.98%と大きく下げています。

 

【5年チャート】

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【3カ月チャート】

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10月16日の終値は2,879円で予想PERは18.59倍です。成長率を考えると決して高い水準ではありませんが、当社はかつて予想PERが10倍以下の時代が長く続いていたので、歴史的に見れば高い水準ではあります。

 

 

 

 

評価

ポジティブ
  • 2016年から2020年までの平均成長率は売上高が13.8%、当期純利益が13.2%であり、特に利益は右肩上がりで成長している。
  • 予想PERが18.59倍で、今後も10~15%の成長が期待できると考えれば十分低い水準である。
  • 事業内容が再生可能エネルギーや省エネなどESGのテーマに沿っている。

 

ネガティブ
  • 決算説明資料等の開示がなく、ディスクロージャーに対する姿勢が消極的である。
  • 事業の特性上やむを得ないが、財務基盤が弱い。
  • 新電力や省エネルギー事業は競合が多く、長期的な観点からは成長性に不安を感じる。

 

むすび

これまでの成長実績や事業内容のテーマ性、株価水準を考えれば当面は魅力的な銘柄だと思います。

一方、開示される情報が限定的である点は、長期投資の観点からは不安材料になります。

そのため、成長株がDX関連に偏りがちな成長株ポートフォリオの中で、業種分散ためにサブ的に取り入れるのが丁度良いかなと考えています。

 

なお、この記事はあくまで私の個人的な見解を示したものなので、投資判断はくれぐれも自己責任でお願いします。