ラクス(3923)の2021年3月期第2四半期決算が本日(11/12)発表されました。
損益の概要
売上高は前年同期比+31.2%、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比+199.7%と大幅な増収増益となりました。売上高の成長率も素晴らしいですが、利益の成長率は驚異的です。
出典:当社決算短信
当四半期単独では売上高が前年同期比+29.1%、四半期純利益は前年同期の6.3倍になっています。
出典:株探
業績予想については10月14日に上方修正を発表していますが、業績予想に対する進捗率は、売上高が46.8%、四半期純利益が47.8%となっています。成長性を考えれば十分な進捗ペースと言えるのではないでしょうか。
出典:当社決算短信
増益要因
売上高の成長率に比して営業利益の成長率が高い要因の一つに広告宣伝費の削減効果があります。当期は事業規模の拡大のために必要な増員を行いながらも、広告宣伝費は前年同期に対してほぼ半減しています。
出典:当社決算説明資料
もっとも、増益の最も大きな要因はクラウド事業における増収効果ではあります。
出典:当社決算説明資料
セグメント別情報
クラウド事業
当社の主力事業であるクラウド事業の業績については、順調に伸びています。
出典:当社決算説明資料
クラウド事業は高いストック売上高比率であるため、四半期毎に確実に売上高を積み上げることができています。
出典:当社決算説明資料
IT人材事業
IT人材事業は、第1四半期の営業利益が90百万円でしたので、第2四半期単独では20百万円の赤字となっています。稼働率の低下が原因ですが、7月を底に徐々に回復していると当社は説明しています。また、採用を停止しているため、エンジニア数は第1四半期末からは微減しています。
出典:当社決算資料
株価の状況
分割以降は荒い値動きとなっていますが、高い成長性とクラウド化の流れの中で、株価はコロナショック以降、急速に上昇してきました。本日の終値は2,270円で予想EPSが15.01円なので、PERは151.23倍となっています。
むすび
主力のクラウド事業はストックビジネスであり、今後も確実に成長が見込まれます。さらに変動比率は低いビジネスモデルなので売上が増えれば増えるほど加速度的に利益が増えることが期待できます。
その一方で、当社の想定している中期目標CAGRを30%としていることから、PER150倍超となる株価はやや高い水準ではないかとも言えます。
さらに当社は、2022年3月期から「再び減益も厭わず成長投資を強化する方針」と宣言しています。そのため、来期は見かけ上の決算の数字が悪くなり、一時的に株価が低迷するかもしれません。
とは言え、将来的には有望だと思いますので、しばらくは100株だけ購入して監視しつつ当社の成長戦略を確認した上で買い増しの可否を判断していこうと思います。
なお、この記事はあくまで私の個人的な見解を示したものなので、投資判断はくれぐれも自己責任でお願いします。