当社の概要
事業内容
当社の事業はビジネスソリューション事業と人材ソリューション事業から構成されています。このうち、売上構成比はビジネスソリューション事業が29%、人材ソリューション事業が71%となっています。
主力の人材ソリューション事業は、主にコールセンターや事務センター等への人材派遣やスマートフォンや家電製品等の店頭販売現場への人材派遣などです。
一方、ビジネスソリューション事業は、障がい者雇用支援やシニア人材派遣、通販企業の商品発送代行サービスや販促業務のアウトソーシングサービスなどです。また、本年度には、
採用支援アウトソーシングサービスを提供するエスプールリンクを設立したり、環境経営支援サービスを提供するブルー・ドット・グリーンを買収しています。
沿革
当社は1999年12月に設立され、2010年10月JASDAQ上場、2019年2月に東証二部へ市場を変更した後、2019年7月には東証一部銘柄に指定されています。
経営者・主要株主
当社の代表取締役会長兼社長の浦上壮平氏は創業者でもあり、本年5月末現在で当社株式を13.05%保有しています。取締役管理本部担当の佐藤英朗氏は公認会計士資格を持ち、2000年9月に当社に入社し、現在当社株式を2.49%保有する大株主です。また。取締役社長室子会社担当の新井直氏は2002年7月に入社しています。さらに非常勤取締役のうち赤浦徹氏は、VCに所属し、当社株式の3.46%を保有する大株主でもあります。
業績の概要
業績の推移
2015年11月期から2019年11月期の業績推移は次のグラフの通りきれいな右肩上がりです。この間のCAGRは、売上高が24.6%、営業利益が128.3%です。売上の増加と共に利益率が上昇しているため、営業利益の伸びが大きくなっています。
業績予想
2020年11月期の業績予想は次の通りです。売上高は前期比+17.8%、営業利益は前期比+24.7 %とコロナ禍にありながら依然として高い成長を見込んでいます。
出典:当社決算短信
また第3四半期における進捗率は次の通りで、順調は進捗ペースと言えます。
出典:当社決算説明資料
財務・キャッシュフロー
2019年11月期の自己資本比率は35.1%とやや低い水準です。利益の成長とともに自己資本を積み増してきていますが、事業規模が拡大しているため、バランスシート全体が拡大していて自己資本比率がなかなか上昇していません。
また、営業キャッシュフローは2018年11月期までは利益が成長しているにも拘らず停滞していましたが、2019年11月期に大きく伸びています。毎期しっかり投資しているため、FCFはプラスとマイナスを行き来しています。
自己資本比率がやや低めではありますが、有利子負債が2,091百万円とさほど多くなく、流動比率が109.3%なので、そんなに心配する必要はないでしょう。
株価の推移
5年チャートを見ると、株価は2020年1月までは右肩上がりで上昇していましたが、コロナショックで暴落した後、株価はある程度回復したものの、レンジ相場が続いて上昇気流に乗ることができていません。
【5年チャート】
直近では決算発表直前の9月30日に856円の高値を付けた後、下落に転じています。決算への期待で上昇させて、発表後には材料出尽くしで下落したようです。
【6カ月チャート】
11月20日の株価は704円で、予想PERは43.19倍です。今後も売上、利益で20%前後の成長が期待できると考えれば、今のマーケット環境を考えるとやや物足りない水準ですが、妥当な水準ではないかと思います。
むすび
当社の事業構成が人材派遣業中心であると考えると、コロナ禍ではかなり苦戦すると思われましたが、第3四半期までの業績を見ると、かなり健闘しているのではないかと思います。
また、障がい者雇用の法定雇用率の引き上げは、当社の障がい者雇用支援サービス事業にとってはプラスとなるでしょう。
短期的な株価の動きを見るとあまりぱっとしませんが、業績はしっかりしているので、長期投資を考えるなら、株価が過熱化していない分、今が買い頃ではないかと思います。
なお、この記事はあくまで私の個人的な見解を示したものなので、投資判断はくれぐれも自己責任でお願いします。