僕は高配当株への分散投資を心がけています。雑誌やブログなどで、数銘柄に集中投資をして驚異的な成果を上げた個人投資家の話を耳にすると心が揺らぎそうになりますが、分相応のところで満足しようと自分に言い聞かせています。
こんな僕ですが、以前は高配当株というものを全く評価していませんでした。配当をもらって税金を取られるくらいなら、配当せずに成長投資に回してくれた方が資金効率が良いだとか、配当が増えても企業の収益力が変わるわけでもなく、配当が増えればその分純資産が減るので、株価に対して理論的には中立だとか考えていたわけです。
昨年の夏ごろまでは理論株価に対して割安のものを必死に探していましたが、結局じりじり下がっていくところを買い下がり、我慢しきれずに少し上がったところで売ってしまうという失敗を繰り返していました。昨年だと、SUMCO(3436)やジャパンディスプレイ(6740)は、その後の上昇を見ると我慢が足りなかったことをとても後悔しています。結局メンタルが弱いとたとえ銘柄選択が正しくても、良い結果を得られるわけではないということを実感しました。
そうなると理論的に正しいかどうかという問題よりももっと重要なことは、いかにメンタルを健全な状態で保つかということだと気付きました。投資手法に絶対的に正しいというものはなく、心理的にしっくりすればその手法を続けることができ、そうするといずれ来るチャンスをものにできるのに対して、絶えず不安を持っていると、少しうまくいかないと他の手法に目移りをして、結局チャンスが巡ってくるのを待つことが出来ないということになってしまいます。
試行錯誤の結果、僕は高配当株に投資することで、多少の値下がりを平常心で受け入れることができ、値下りの要因が単なる市場の需給によるものなのか、対象会社の固有の要因によるものなのか、さらには対象会社固有の要因によるものであったとしても、投資判断の前提条件を覆すものなのか一時的なものなのかを冷静に見極めることができるようになりました。また、高配当株と選択の範囲を限定することによって、限られた時間の中で銘柄分析を効率的にできるようになりました。四季報を頭から読んでも、僕のレベルではまだまだ頭に入ってきませんし、全銘柄の中からお宝を見つけ出すのは、まるで砂金を探すようなものだったからです。
投資スタイルは人それぞれですが、まずはメンタルを健全な状態に保てる手法を見つけることが一番大切なんだろうと思います。