中堅企業にローンやエクイティで資金を提供して高い利回りの配当を出しているBDCですが、その中でも最大手であるエイリス・キャピタル(ARCC)を追加購入しました。配当利回りが9%台というのは魅力的ではあるものの、その分リスクが高いと考えられますが、追加購入に当たり、当社の2017年第2四半期決算に基づくプレゼン資料を読んでみました。僕の英語力には限界がありますので、おかしな点があってもご容赦ください。
当社の強みはいくつかありますが、まず入り口段階で案件を絞り込むことで、より優良な案件に対してしか資金を提供していないことが挙げられるでしょう。最近の実績では、年間1,200件もの検討案件のうち4%程度しか実行されていません。
当社のポートフォリオは319社から構成されており、かなり分散されています。資産の種類は担保付ローンやシニアローンなど比較的リスクの低いものの割合が高くなっています。
さらに当社の負債の資本に対する倍率は1倍に制限されていて、高いレバレッジがかけれられないようになっています。実際には0.65~0.75倍をターゲットとしています。
当社の配当原資を決める大きな要素は、投資資産の運用利回り、資金調達コスト、デフォルト率の3つが挙げられます。運用利回りについては9.5%とハイイールドボンドと比べてかなり高い利回りとなっています。
一方、デフォルト率は、ハイイールドボンドなどと比べてかなり低い水準となっています。
こうした高い運用利回り、低いデフォルトコストに対して、当社の平均調達コストが実行ベースで3.94%、コミットメントベースで3.70%となっており、これが高い配当利回りの源泉となっています。
配当は、近年は四半期で0.38ドル、年間で1.52ドルを最低ラインとして安定しています。株価が16ドル程度で推移していますので、配当利回りは9%以上となります。
このように見ると良いことばかりのようですが、過去の株価の推移を見ると、リーマンショック後は株価が4ドルを割ったこともありました。2011年以降は株価が回復して安定して推移していますので、暴落の時期にじっと耐えられるだけのメンタルの強さがあれば、高利回り商品として、当社株を持ち続ける意味があるのではないでしょうか。