僕はポートフォリオの一部としてインフラファンドへの投資を始めました。ここで、インフラファンドについて簡単にまとめてみます。
インフラファンドとは、太陽光発電施設に投資するファンドで、発電した電力を売却して収入を得て、施設の維持費や減価償却費、借入金利息、運用報酬等を支払った残りの利益が配当の原資となります。そして、売電価格はFITで20年間固定されていますので、収入は読みやすく、安定したインカムゲインを得ることが期待できます。
現在東証に上場しているインフラファンドは6銘柄あります。
9282 いちごグリーンインフラ投資法人
9284 カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
9285 東京インフラ・エネルギー投資法人
インフラファンドの歴史は浅く、東証のインフラ市場に上場した第一号がタカラレーベン・インフラ投資法人(9281)で2015年4月のことでした。最も新しいエネクス・インフラ投資法人(9286)は今年の2月13日に上場したばかりです。
予想分配金利回りは、最も高いエネクス・インフラ投資法人が8.77%、最も低いいちごグリーンインフラ投資法人(9282)が5.60%(いずれも4月2日時点)と、J-REITより高くなっています。
また、時価総額は、最も大きいカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人(9284)で231億円、最も小さい東京インフラ・エネルギー投資法人で44億円と、まだまだ規模がかなり小さいです。
出典:JAPAN-REIT.COM(4月2日時点)
このように、インフラファンドは分配金利回りが高い訳ですが、その分リスクや不人気な理由があると思われます。僕なりに認識しているリスクは次の様なものがあります。
①インフレに弱い
売電価格が20年間固定されている分、インフレになればその分実質的な価値が下がってしまいます。不動産の場合は、インフレになれば賃料収入が増えることが期待できますし、高値で資産を売却することができますが、太陽光発電施設の場合、それは難しいと思われます。
②施設の出口が不透明である
現在、投資対象である太陽光発電施設は20年間にわたって固定価格での電力の買取が保証されていますが、20年経過後にその施設がどのようになるのか現時点では予測できません。
20年経過後に価値がゼロになるとすると単純に考えて利回りが5%を大きく超えないとメリットがないようにも思えます。
ただ、実際には適切にメンテナンスをすれば20年経過後も発電が継続できるでしょうから、価値はゼロということはないでしょう。ただし、将来の買取価格は現在より確実に下がると思われますので、利回りは確実に低下します。
一方、制度変更リスクや出力制御リスクも考えられますが、さすがに現在稼働している施設の売電価格を下げることは考えにくいですし、出力制御については、ポートフォリオの61.3%が九州地方となっているカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人ですら、現在のところ影響は軽微なレベルに留まっています。
出典:カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人2018年12月期決算説明資料
こうしたリスクを踏まえた上で、ポートフォリオの一部にインフラファンドを組み入れています。