当社は、「洋服の青山」で有名な紳士服専門店チェーンを主力事業としていて、紳士服業界では業界首位のポジションにあります。その他にも若者向けの「THE SUIT COMPANY」やセレクトショップの「UNIVERSAL LANGUAGE」なども展開しています。こうしたビジネスウェア事業の売上が全体の78%を占めています。既存店売上は前年を割って苦戦していますが、レディスに力を入れたり、「バーチャルフィッティングアバターシステム」を導入したオーダースーツショップを手掛けたりと、今後の展開が楽しみです。
また、カジュアルウェア事業として、「キャラジャ」「リーバイスストア」「アメリカンイーグルアウトフィッターズ」を展開していますが、なかなか苦戦しているようです。
2015年12月には靴修理や合鍵作成では結構目にする「ミスターミニット」を完全子会社化して、時計やスマートフォンの修理、刻印サービスなど、提供サービスの多角化を進めるとしています。ビジネスウェア店舗とのシナジーが今後は期待できます。
当社は中期経営計画で、最終年度である2017年度の連結売上高2,800円、連結営業利益270億円、ROE7%を目標として掲げています。少子化による労働人口の減少やカジュアル化によるスーツ需要の減少など、市場規模としては縮小傾向にあり、また、最近ではリーズナブルな価格のオーダースーツもどんどん出てきますので、業界での競争環境は益々厳しくなることが予想されます。レディス分野でのブランドの浸透やオーダースーツへの取り組み、アッパーグレードへの展開など、事業領域を広げることで、当社の持続的な成長を期待したいと思います。
また、当社は株主還元方針として、連結総還元性向130%を目処として、連結配当性向70%(最低1株配当金100円)とし、連結当期純利益の130%から配当総額を引いた金額を目処に自己株式の取得を行うと発表しています。ピカピカの成長株とは言えませんが、緩やか成長と高い株主還元で長期保有に向いた会社だと思います。
主な指標(4月3日現在)
株価 3,835円
時価総額 2,124億円
予想1株配当金 165円
予想PER 18.47
実績PBR 0.88
配当利回り 4.30%
*データは四季報オンラインより引用