この本は、モーニングスターの社長である朝倉智也氏が内外のETFを使って国際分散ポートフォリオを構築することを勧めているものです。30分くらいで読めてしまう軽い本ですが、特に海外株や海外債券に投資を始めようとする初心者にとっては、個別銘柄への投資はなかなか難しいですから、こうした内外のETFを紹介してくれる本は意外と役に立つのではないかと思いました。
もちろん、個々の情報はネットでも調べることができますが、数多くあるETFの中から最適なものを選び出すには、慣れないと多くの時間がかかってしまいます。
この本では、おすすめの7本のETFで作成した国際分散ポートフォリオの例を示した後、さらにこだわりの13本を加え、計20本のETFについてわかりやすく紹介しています。
この本を読んで、これまであまり意識していなかったETFの奥深さを実感しました。特に米国市場に上場しているETFは種類も豊富で、ベンチマークとする指数もバラエティに富んでいます。そのため、驚くほど低コストで、債券、株、金、不動産といった資産の種類や先進国、新興国、米国、日本などの対象地域、さらには株でも大型株や小型株、高配当株など、様々な組み合わせで自分の理想とするポートフォリオが組めます。
株式投資において、個別銘柄を発掘する醍醐味は捨てがたいですが、長期的な視点で資産を形成していくためには、こうした要素も必要だと感じました。特に給料
などの定期的な収入に余裕がある人は、時間を味方につけて「積み立て+パッシブ運用」を続けていれば、20年後には大きな資産ができているのではないでしょうか。