ケルは英文ではKELと書くそうですが、名前の由来が気になっていました。当社のウェブサイトを見ても名前の由来がわかりませんでしたが、どうやら筆頭株主の菊水電子工業から来ているようです。もともと菊水電子工業の一部門が分かれてできた会社のようですが、不思議と当社のウェブサイトでは触れられていません。
当社は基板や電源など、電子機器で使用するコネクタの製造販売を主力事業にしています。当社のウェブサイトによると、売上構成比は、コネクタが83.3%、ラックボード10.5%、ソケット4.7%、その他1.5%となっています。いずれにしても一般消費者の目に触れるものではありませんので、なかなかピンときませんが。
エレクトロニクス業界は、スマホ、タブレットなどの端末市場の成長は鈍化するものの、自動車電装関連やウエラブル機器、IoT、医療機器などの新たな分野の成長が期待できます。平成29年3月期の市場別売上高予想では遊技機器が前年比▲19.7%であるのに対して、車載機器は+16.5%、工業機器が+9.8%となっています。パチンコ関連は今後もなかなか厳しいものと思われます。
中期経営計画では「成長ステージへ挑戦」と題して、新製品開発の加速、海外ビジネスの拡大・強化、車載市場の開拓を掲げています。過去5期の売上高の推移を見ると、平成24年3月期が9,472百万円であるのに対して平成28年3月期は9,215百万円と伸び悩んでいて、とても成長のイメージは持てませんが、当社の目論見通り、好調な監視カメラで培った信頼をベースに海外市場を拡大すること、カーナビから他の車載関連製品へ拡大することができれば、今後緩やかな成長をするかもしれないと期待しています。平成28年3月期では、総資産136億円に対して有利子負債が8億円と、財務的には健全ですので、配当を頂きながらじっくり成長を待ちたいと思います。
主な指標(3月17日時点)
株価 760円
時価総額 59億円
予想1株配当金 30円
予想PER 12.52
実績PBR 0.53
予想配当利回り 3.95%
*データは四季報オンラインより引用