投資本で僕の座右の書と呼べるものは、これまで海外のものばかりだったのですが、具体的な事例を取り上げていても、海外の、しかも古い事例だとリアリティがなく、そこからは主に投資哲学や心構えを学んできました。
最近のように相場全体の雲行きが悪くなってくると、どうしても目先の値動きに一喜一憂したり、掲示板を眺めながら、保有している株の良い情報を無意識のうちに探して、時間を無意識に使ってしまってしまいます。
こんなときに書店で手に取ったのがv-comさんの『最強のファンダメンタル株式投資法』です。これまで著名な個人投資家の方の書いた本を何冊も読んできましたが、正直言って自分にとってしっくりくるものはあまりありませんでした。投資期間が超短期であったり、トレンドフォロー型だったりと投資スタイルが違ったり、個人的には成功していても再現性に疑問があったりしたからです。
この本は、財務諸表分析の基本を押さえながら、それを具体的な投資にどのように活かしていくかに重点を置いて書かれたもので、この本を読んで、改めてファンダメンタル分析の重要性を再認識しました。特に、具体的な事例を数多く挙げて、v-comさんが実際にどのように考えてどのような行動をとったか解説されているところはとても参考になります。例えばエスクリ(2196)では、僕も同じ時期に見ていて大失敗をしてしまいましたので、分析の深さの違いが明暗を分けたことを思い知らされました。
具体的な内容は是非実際に読んでいただきたいですが、この本を読んで、これからは四季報だけではなく、有価証券報告書をきちんと読んで会社の内容を理解していこうと決意を固めました。これまでは個別銘柄の分析に時間をかけず広く分散投資をすることでリスクを軽減してきましたが、もう少しメリハリをつけていこうと思っていましたので、この本を参考に、自分なりの分析のフレームワークを作っていきたいと思います。