僕の中小型株ポートフォリオの一角を占めるイチケン(1847)の紹介です。
当社はいわゆる中堅ゼネコンで、1930年に第一相互住宅株式会社として設立され、43年に第一建設株式会社に、56年に第一建設工業株式会社に社名を変更し、1989年から現在の株式会社イチケンになりました。
現在本社は東京港区にありますが、元々は関西を地盤としてスタートしています。主要株主はパチンコ最大手のマルハンで、32.2%を保有しています。
ゼネコンという業種柄、2020年の東京オリンピックに向けての建設ラッシュにより、売上は拡大、さらには2025年の大阪万博開催が決定し、長期にわたって建設需要は期待できます。
一方、人手不足から事業拡大は簡単ではなく、売上高を大きく拡大していくことは難しいと思われますし、人件費や鉄骨などの資材価格の高騰が利益を圧迫しています。
こうしたことから、この5年間は増収増益を続けてきましたが、今期の業績予想は増収減益となっています。
12月7日時点の主な指標は次のとおりです。
株価 2,018円
時価総額 147億円
年間配当金 80円
予想PER 4.87倍
実績PBR 0.82倍
配当利回り 3.96%
ゼネコンのPERは一般的に低くなりがちですが、その中でも当社のPERはかなり低いと言えます。
また、直近6カ月の株価の推移は次のようになっています。8月10日に発表した第1四半期決算の内容を受けて、大きく株価が下落し、それ以降も低迷が続いています。
四半期毎の決算の推移をみると、確かに第1四半期は大きく減収減益となりましたが、第2四半期で大きく挽回しています。元々2018年3月期決算の発表時に公表された業績予想で増収減益としていたので、今の株価水準は過剰反応ではないかと思っています。
出典:株探
第2四半期の決算短信によれば、受注残高は昨年と比べて高い水準となっていますし、官公庁の受注が増えていることは、景気変動リスクの分散という点ではよい傾向だと思います。
【次期繰越高】
出典:2019年3月期第2四半期決算短信
コスト上昇による減益リスクはあるものの、業界全体として当面高い需要が期待できますので、予想PERが5倍を切る今の株価水準は割安ではないかと思います。あくまで僕の個人的な見解ですので、投資される場合は自己責任でお願いします。