ミクシィ(2121)は、1997年に求人情報サイト「Find Job!」の運営を開始したことから始まり、1999年に運営会社として有限会社イー・マーキュリーが設立、翌年株式会社に組織変更されました。2006年に株式会社ミクシィへ社名変更され、マザーズに上場しています。
かつてSNSの先駆けとなる「mixi」で急成長し、その後は他のSNSに押されて低迷したものの、2013年にリリースされたモンスターストライクで再度ブレイクしたという、激しい浮き沈みを経験してきた会社です。そして、今のところは未だにモンスト以外の収益の柱が育っていたいため、業績は緩やかな下降線をたどっています。
さらに、11月8日に通期業績予想の下方修正を発表しました。
こうした業績を反映して、2013年11月から株価は急上昇し、その後は乱高下しながら、2017年6月をピークに、その後は株価が一貫して大きく下落しています。
【10年チャート】
【6カ月チャート】
当社の事業領域は、エンターテインメント事業と、ライフスタイル事業から構成されていますが、セグメント情報によれば、第2四半期累計で、売上高の95%以上がエンターテインメント事業となっています。
エンターテインメント事業では、モンスト以外にも新たなIPの創出やスポーツ関連イベントへの取り組みもありますが、収益の柱は依然としてモンスト頼りとなっています。モンストでは、他のキャラクターとのコラボ企画やアニメ、映画化、関連イベントの開催などの延命策を続けていますが、売上を見る限りジリ貧の状況を変えるに至っていません。
ライフサイクル事業では、家族アルバム「みてね」のテレビCMは見たことがありますが、これが事業の柱になるとは到底思えません。チケットキャンプの閉鎖という問題もありましたので、まだまだ試行錯誤が続くのでしょう。
このように業績面では全くダメな当社の株をなぜ保有するのかということになりますが、その理由はやはり指標的な安さということにあります。
12月10日時点の主な指標は次のとおりです。
株価 2,443円
年間配当金 120円
PER 6.88倍
PBR 1.09倍
配当利回り 4.91%
業績がジリ貧にある当社の予想PERは絵に描いた餅で、今後も下方修正があれば割安感はなくなってしまうかもしれません。それでも予想EPSが356.58円で、年間配当金が120円なので、まだまだ余力があると言えます。
さらに評価できるのはBSで、第2四半期末時点で自己資本比率は90.1%、有利子負債は0ですし、総資産187,788百万円のうち、147,921百万円がキャッシュですし、営業キャッシュフローは大幅間黒字を続けています。
この潤沢な資金をうまくM&A等で活用できれば、低迷する業績や株価も一発逆転もあるかなと思っています。