日本たばこ産業(2914)の2019年12月期決算が7月31日に発表されました。結果は、売上収益が前期比▲1.8%、親会社の所有者に帰属する四半期利益が+4.8%と減収増益となりました。
出典:当社決算短信
営業利益でも前期比+3.0%と増益でしたが、海外たばこ事業で新興国通貨を中に為替変動の逆風を受けての増益なので、なかなか検討していると思います。なお、為替一定ベースの調整後営業利益は前期比+5.9%となっています。
出典:当社CFOプレゼンテーション資料
この決算を受けて、通期予想を若干修正しています。
出典:当社決算短信
これも為替変動の影響を踏まえたもので、為替一定ベース調整後営業利益は変更ありませんので、実質的には順調に業績は推移していると言えます。
国内たばこ事業は本数ベースでは市場は縮小し、さらに当社のシェアは前年比では微減していますが、値上げ効果によって売上収益及び調整後営業利益はプラスになっています。
出典:当社CFOプレゼンテーション資料
また、海外事業は買収効果に加えて各市場でシェアを拡大したため、為替影響を除けば売上、利益とも好調ですが、新興国通貨を中心に、対ドルレートで通貨安となり、円安のポジティブ影響が一部相殺されています。
出典:当社CFOプレゼンテーション資料
その他の医薬事業は抗HIV薬のライセンス契約解消等により大幅な減収減益、加工食品事業も伸び悩んでいて、なかなか事業の柱にはなりそうにもありません。
先進国を中心にたばこ産業に対しては悲観的に言われがちで、株価もボロボロですが、当社の業績はこれまでのところ、順調に推移していると思います。プレゼンテーション資料の最後に心強い言葉がありました。
出典:当社CFOプレゼンテーション資料
株価を見ていると不安になりますが、業績を見れば安心して保有を継続できそうです。