三菱商事とUBSがスポンサーの商業系REIT、日本リテールファンド投資法人(8953)の2020年2月期決算が発表されました。
目次
決算短信の概要
決算短信の概要ですが、営業収益が前期比▲9.7%、当期純利益が前期比▲0.1%と減収減益となりました。
また、EPUは4,889円(前期比▲5円)、1口当たり分配金は4,500円(前期比±0円)でした。
出典:当法人決算短信
出典:当法人決算短信
2020年2月期決算なので、新型コロナウイルスの影響がまだ本格的に反映されていない時期ですが、とりあえず予想通りの分配金となり一安心です。
そして、新型コロナの影響が本格的に反映される2020年8月期及び2021年2月期の運用状況の予想では、営業収益、当期純利益とも減少を続けますが、2020年8月期には圧縮積立金を繰り入れ、2021年2月期は圧縮積立金を取り崩すことで、1口当たり分配金は4,500円を維持するとしています。
出典:当法人決算短信
新型コロナウイルスの影響と分配金予想
新型コロナウイルスの影響については決算説明会資料で解説されています。
まず、テナントの属性別の影響とポートフォリオ区分毎の売り上げ動向です。売上に対してそれなりに影響はあるようですが、3月時点ではすべてが悪いわけではないようです。
出典:当法人決算説明会資料
こうした新型コロナウイルスの影響を織り込んだ今後のEPUの予想は次の通りです。2020年8月期のEPUに与える新型コロナの影響は306円と限定的です。
出典:当社決算説明会資料
また、分配金は積立金をコントロールすることにより4,500円を維持する計画となっています。
出典:当社決算説明会資料
このように、当法人の場合、現時点での予想では、新型コロナウイルスの影響は限定的であり、多額の積立金を活用することで分配金水準の安定化を図ることができるようです。
株価および分配金利回り
新型コロナショックでボロボロに売られた当法人ですが、97,700円の安値を付けてからはジリジリと上げてきています。
本日の終値が116,000円、今後1年間の予想分配金が9,000円なので、予想分配金利回りは7.76%となります。
また、決算発表と同時に自己投資口の取得を発表しました。
取得の上限は25,000口で発行済総口数の0.95%と僅かですが、ここから当法人が現在の株価が割安であると考えていることがわかります。
出典:当法人リリース「自己投資口取得に係る事項の決定に関するお知らせ」
むすび
分配金が維持されるということで安心しましたし、自己投資口の取得も発表されましたので、明日からは正常な株価に戻っていくのではないかと期待しています。
ただ、これはあくまで僕の個人的な見解なので、投資判断は自己責任でお願いします。