投資法人みらい(3476)の2002年4月期決算が本日(6/15)発表されました。
運用状況及び分配金の概要
2020年4月期の運用状況は、営業収益が前期比+2.0%、当期純利益が前期比+4.9%と増収増益で、1口当たり当期純利益は前期比+20円の1,583円でした。
出典:当法人決算短信
この結果、1口当たり分配金は前期比▲1円の1,561円となりました。なお、前期は利益超過分配金が1口当たり82円でしたので、これを除くと実質的には81円の増加でした。4月21日に発表した2020年4月期の分配金の予想は1,560円でしたので、ほぼ予想通りとなりました。
出典:当法人決算短信
運用状況及び分配金の予想
新型コロナの影響で2020年10月期の運用状況及び分配金の予想は4月21日発表の予想から下方修正されています。前回予想から営業収益は▲2.4%、当期純利益は▲6.8%、1口当たり分配金は▲6.8%の1,380円としています。
出典:当法人リリース「2020年10月期の運用状況の予想及び分配予想の修正並びに2021年4月期の運用状況の予想及び分配予想に関するお知らせ」
また、2021年4月については次のように予想しています。1口当たり分配金は2020年4月期と比べて▲26.3%と大きく減少するとしています。
出典:当法人リリース「2020年10月期の運用状況の予想及び分配予想の修正並びに2021年4月期の運用状況の予想及び分配予想に関するお知らせ」
当法人は、2019年6月21日に発表したMIUMIU神戸の売却が3期にまたがって決算されるため、売却益が2019年10月期、2020年4月期、2020年10月期にそれぞれ計上されます。このため、2020年10月期までは営業収益及び当期純利益が底上げされていましたが、2021年4月期は売却益の効果が消えるため、営業収益及び当期純利益が大きく減少することになります。
出典:当法人2019年6月21日付リリース「国内不動産信託受益権の譲渡に関するお知らせ(MIUMIU神戸)
また当法人は、新型コロナによる賃貸事業収入の減収として、2020年10月期には237百万円、2021年4月期には193百万円を見込んでいるとしています。この影響を除くと、2021年4月期の1口当たり分配金は116円増加しますので、コロナ影響を除いた予想分配金は1,266円となります。2020年4月期の売却益を除いた1口当たり分配金を計算すると1,272円となりますので、このあたりが当法人の現時点での実力と言えそうです。
株価の状況
コロナ前は60,000円あたりで推移していた株価は、一時30,000円を割り込みましたが、その後若干回復し、本日の終値は38,600円でした。当法人は総合型REITですが、ホテルの割合が約2割と比較的高いこともあり、大きく売り込まれたようです。
今後2期の予想分配金はそれぞれ1,380円、1,150円で合計2,530円なので、分配金利回りは6.55%です。
むすび
この決算発表までは、2期の予想分配金の合計が3,040円でしたので、それと比べると分配金は大きく減少してしまいました。ただ、本日時点では決算説明資料は開示されていないものの、決算短信だけでもよく読めば、新型コロナの影響は比較的軽微であることがわかります。
本日は株価が前日比▲4.81%と大きく下げましたが、この調子では明日も大きく下げるかもしれません。しかし、ホテルREITと異なり、分配金の下限値も見えてきましたので、のんびり株価の回復を待つしかないかなと思っています。
なお、この記事はあくまで僕の個人的な見解を示したものなので、投資判断はくれぐれも自己責任でお願いします。