IBMの2020年度第2四半期決算が7月20日に発表されました。
決算の概要
非GAAPベースEPSが2.18ドルと、コンセンサスを上回り、まずまずの結果と言えるでしょう。とは言え、前年同期比では▲31%なので、手放しに喜べる数字ではありません。なお、Yahoo! financeによれば予想EPSのコンセンサスは2.07ドルでした。
出典:Yahoo! finance
売上高は181億ドルで▲5.4%(為替等の影響除けば▲1.9%、以下同じ)、うちクラウド&コグニティブソフトウェア部が+3%(+5%)、特にクラウド部門が+30%(+34%)と大きく売上を伸ばしました。なお、このうちRed Hatの売上高は+17%(+18%)です。
GAAPベースの粗利率は48%で+100bp、非GAAPベースの粗利率は49%で+160bpと改善しています。
出典:当社リリース資料
当期の減益の大きな要因は、その他の収益及び費用です。前期は747百万ドルのプラス(収益)だったのに対して当期は179百万ドルのマイナス(費用)となっており、これだけで926百万ドルのマイナスです。この内容については開示資料からはよくわかりません。
出典:当社リリース資料
セグメント情報
セグメント状況は次の通りです。
為替影響を除くと、クラウド&コグニティブソフトウェア部門の売上高は+4.6%、システム部門の売上高は+6.3%と増益だったのに対して、グローバルビジネスサービスは▲6.0%、グローバルテクノロジーサービス部門は▲5.4%と減収でした。また、税前利益率(Pre-taxMarrgin)は全部門で前年より低下しています。
出典:当社リリース資料
株価の状況
1年チャートでS&P500とパフォーマンスを比較すると、当社は大きくアンダーパフォームしていることがわかります。
当社もクラウド&AI銘柄と言えなくもないと思いますが、やはり売上高の爆発的な伸びがないと株価が爆上げしているハイテクグロース銘柄の様にはならないのでしょう。
7月20日の終値が126.37ドルで、予想年間配当金が6.52ドルなので、配当利回りは5.16%です。
決算発表を受けて時間外で大きく上昇したようですが、これから挽回してくれるといいですね。
むすび
高配当株として保有していますが、当社は古くからAIの研究では先行していましたし、Red Hatを買収したことでクラウド事業の成長も期待しています。ただ、既に企業規模が大きいため、会社全体で見た場合、当四半期も減収減益と業績面ではパッとしない状況が続いていて、それが株価に反映されています。
ただ、企業の方向性としては正しいと思いますので、当面は配当を受け取りつつ成長を見守りたいと思っています。
なお、この記事はあくまで僕の個人的な見解を示したものなので、投資判断はくれぐれも自己責任でお願いします。