最近新規で購入したL Brands(LB)を紹介したいと思います。L Brandsは世界的なアパレル企業で、インディテックス(ZARA)、H&M、ファーストリテイリング(ユニクロ)、Gapに続く世界第5位となっています。
出典:ファーストリテイリングウェブサイト
事業構成は、女性用下着を中心としたVictoria’s Secretと、ボディケア用品のBath & Body Worksから成ります。
売上高及び営業利益の推移
過去5年間の売上高及び営業利益の推移です。
単位:百万ドル
売上高は右肩上がりですが、粗利率及び営業利益率が2015年度をピークに右肩下がりとなり、営業利益も下降しています。
事業構成の推移
事業構成を見ると、主力のVictoria’s Secretが2016年度をピークに減少する一方、Bath & Body Worksg増加していて、Victoria’s Secretの比率がどんどん低下しています。
単位:百万ドル
また、アメリカ国内における単位面積(スクエア・フィート)当たりの売上高は、Victoria’s Secretは2015年度をピークに減少しているのに対して、Bath & Body Worksは右肩上がりで増加しています。
単位:ドル
さらに、アメリカ国内の売り場面積は、Victoria’s Secretが2017年度をピークに2018年度は減少に転じているのに対して、Bath & Body Worksは拡大を続けています。
単位:千スクエア・フィート
このように、主力事業であるVictoria’s Secretが衰退しつつあるのに対して、Bath & Body Worksが伸びているのがよくわかります。
ESP及び配当金の推移
EPS、調整後EPS、1株当たり配当金の推移です。
単位:ドル
EPS、調整後EPSは2015年度をピークに、1株当たり配当金は2016年度をピークに減少しています。なお、2019年度の1株当たり配当金は1.20ドルに半減しています。2014年度、2015年度、2016年度は四半期配当金の他に特別配当金がありましたが、業績が悪化していますので、減配はやむを得ないでしょう。
キャッシュフローの推移
フリー・キャッシュフローは安定してプラスですが、こちらも利益と同様に、2015年度をピークに減少しています。
単位:百万ドル
株価の推移
5年間のチャーを見ると、業績のピークが2015年度であったことを反映して、株価は2016年に入ってから右肩下がりとなっていることがわかります。かつて100ドル近くまで上昇した株価は、7月12日時点で26.50ドルまで下がっています。
出典:Morningstarウェブサイト
このように見てみると、すでにピークを過ぎてしまった当社の株をなぜ今更購入したのかという疑問を持たれるかもしれません。もちろん約4.5%程度の配当利回りは魅力的ですが、それだけではありません。
2019年度の配当金が1.20ドルとこれまでの水準から半減してなお配当利回りが約4.5%であること、2019年度のEPSガイダンスが2.30ドル~2.60ドルと、EPSの下げ止まりが見えそうであること、この水準であれば更なる減配は当面考えにくいことが理由として挙げられます。
もちろん、アパレル業界というのは厳しい世界なので業績の先行きは楽観できませんし、当社の信用格付けがダブルB格と低くそれなりのリスクはありますので、今後投資額を大きく増やすことはないと思いますが、今後の業績の回復を期待しつつ、長い目で見ていきたいと思います。